入院生活(市立病院25日間)④
【看護師さんの存在】看護師さん達の献身的介護や温かい言葉掛けは何よりも私を励ましてくれました。考えても見てください。還暦を過ぎた匂い立つむさ苦しい男性の紙オムツの取り替えや尿瓶での採尿、身体全体をタオルで丁寧に拭く作業や匂いのする不潔な股間まで清潔にする作業。数日に1回のパジャマの着替え。シャワーを浴びたのは後半 1 週間で2回だけだったのですが、立ち眩みが酷かったのでシャワー室まで同行し、衣服の着脱や洗髪や背中まで流してくれるのです。また、採血やリンゲルの交換、目眩を抑える注射などの医療行為。また1日に何度も行う電子カルテへの記録、検温、血圧測定。看護師さん達の仕事は本当に広範多岐に渡っています。また患者に寄り添い患者の痛みを察知し適切な処置をとる事もそうです。看護師としての目的意識が相当高く無ければとても長く続けられる職業とは思えませんでした。ある夜、命が長らえたことに嬉し泣きしていたところを中年の看護師さんに見られてしまいました。翌日その看護師さんが来て、椅子に座っていた私の両肩に突然手を置いて、こう言葉をかけてくれるのです。「アサカさん。ここまで良く頑張りました。さらに頑張ってもらうために私がエネルギーをあげるからね。」そう言うと肩を 2、3 度軽く叩いてくれたのです。全く予期していなかったこの所作に思わず私は子供の様に嗚咽を漏らしていました。退院の際、ナースセンターで止まり、「お世話になりました」と大声で礼を言いました。決められた仕事以上の仕事を事も無げに実行してしまう人のことをプロと呼びます。この中年看護師さんは正に看護師のプロです。入院生活を通して痛感したのは、私がひとりよがりの基督者で他人に何の感動も与えることができない「ずぶの素人」だということでした。
良きサマリヤ人の行動は単なる思い付きではありません。こうした危険な事件に何度も遭遇してきたことでしょう。その際黙って見過ごすことをせず、積極果敢に怪我人の救助を行ってきたのです。そうでなければ、こんなに的確迅速な処置はできなかったのです。そうした意味で良きサマリヤ人は人間のプロです。
| そして近寄って、傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで包帯をし、自分の家畜に乗せて宿屋に連れて行って介抱した。次の日、彼はデナリ二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『介抱してあげてください。もっと費用がかかったら、私が帰りに払います。 ルカの福音書10章34~35節 |