15千尋の谷に落とされた理由②

千尋の谷に落とされた理由②
=放蕩息子とご同類=
●田舎のことですから独身男性が学習塾で生徒と接触するのを快く思わない大人たちもいます。他教会の姉妹と恋愛関係にあり結婚を長老たちに相談したところ、にべもなく否定されます。代わりに彼らが用意した女性を紹介されます。私には彼らが教会亜流から主流になるための踏み絵を提示してきたように思えてならなかったのです。この提案を断るのと同時に恋愛関係にあった姉妹との関係も断つことにしました。失意の中、本の気晴らしのつもりで韓国教会を訪問しました。どの教会も大歓迎してくれました。それもその筈です。日本からの訪問者が途絶えていたからです。旅の終盤、私は当時韓国諸集会の中心人物から韓国人の姉妹を紹介されます。それが妻でした。家族全員が反対する中、私は彼女との結婚に踏み切ります。これで学習塾経営は盤石なものとなるのですから。
●結婚してから2年目31歳の時、兄が心筋梗塞で突如他界。実質私が長男です。当時父は兄のところに、母は雀荘経営の為太田市に別居生活をしていました。母は体調不良から雀荘経営をやめたいと言っていました。そこで私は両親の面倒を見る為に住居と塾教室を建築することにしました。140坪の土地を購入し、有名ハウスメーカーに依頼し、5LDK書斎付きの母屋と2階建て総床面積72畳の塾教室を建てることができました。この時の住宅ローンがやがて大きな負担になっていこうなど想像もしませんでした。両親と同居するということは韓国宣教をあきらめることにほかなりません。この選択が第一不幸の始まりです。
■第一子のダニエルが誕生しますが、破水後6時間も病院にいましたが。何の処置もなく12時間後に自然分娩で出産。息子は仮死状態で生まれ、呼吸停止が3回。新生児集中治療室で医師から宣告されたのは、脳に障害が残るということでした。3歳ころまでは他の子供と何ら変わらず、かわいい盛りで溺愛していました。しかし発育がほかの子供に比べ明らかに遅いので焦り始め、正常に戻すためにと様々な処方を試しました。結局「障害者」を背負って生きることになります。これが第二番目の不幸。楽しい家族生活を期待していた私は奈落の底に突き落とされる思いでした。「教会から見放され、今度は神に捨てられた。初めから神などいなかったんだ。」と思い始めるのです。信仰生活に対して全く魅力を感じなくなっていきました。
■ところがこの頃順調すぎる塾経営のため、「金さえあればいくらでも幸せは買える」という金銭への信仰が、やがて本物の信仰から、私は完全に切り離していく結果になります。この思いを払拭するために、いよいよ私は塾経営に没頭し、ついには教会生活をやめてしまいます。「信仰という呪縛が私の人生をめちゃくちゃにして来たんだ。こんなもん。」遂に、私の心にブレーキをかけるものが全く亡くなりました。講師の中に、この世にたけている男がいて、夜の世界に誘われるままに。浴びるほど酒を飲み。そして性風俗に染まっていきます。プロの女性はお金がかかりすぎます。ですからテレクラ通いをして、何人もの素人女性と関係を持ち、挙句の果てには、アパートを借りて、そこへ女性を連れ込むように。当然家にはほぼ戻らなくなりました。
■ある時4歳になった娘が、ソファに座ってくつろいでいた私に近寄って「パパ大好き。パパのお嫁さんになる。」と言ってきたのを「ママにそんな風に言えと言われたのか。あっちへ行け。」と怒鳴って追い返したのです。以降娘は近寄りもしなくなりました。信仰の人である妻を泣かせ続け、障害児の息子とその後生まれてきた娘のことは一切眼中になくなっていたのです。まさに母子家庭のような日々を過ごさせることに何の罪悪感もありません。私が放蕩三昧の生活をするのを見かねた教会の長老や複数の専心伝道者は「離婚を視野に入れた方が良い」と勧めてきたそうです。しかし彼女は「主人は必ず神様のもとに戻ってきます」と返答しその勧めを断ってきたそうです。7年間私は欲望のままに生きていくのです。
■塾は直営店を3つ、チェーン店を4つ開校し、生徒数は450名になりました。ところがその栄華も数年と持ちませんでした。絶頂期から3年後、塾経営に突然の危機が訪れます。生徒の入塾が急に減速し始めるのです。直接の原因は実質の塾経営をそれぞれの店舗の講師に丸投げし、昼間から女性漁りをしていたからです。経営の何たるかを学習して来なかったのですから、行き着くところは目に見えていました。税理士から相当額の消費税の計算書を提示され、その時初めて事業に失敗したことを認めることとなるのです。頑張れば返済できない額ではありませんでしたが、教会以外で挫折を経験したことがなかった訳ですから、窮地に追い込まれたとおろおろするばかりで、その後の処理もおおよそ賢い経営者のとる方法ではありませんでした。私のとった行動は塾の縮小でした。女性講師は全員解雇。部下の講師には有力店の経営権を譲渡することで退職金代わりとしました。

❤放蕩息子(ルカの福音書15章)は家督を継げない悔しさから家庭の中で自分自身を無用の存在と思い込み、父から任された資産を利用できる能力がないくせに、家を出てしまいます。しかし結果は・・・。私は2000年前の人間とそっくりの思考しかなかったのです。

それから何日もしないうちに、弟息子は、すべてのものをまとめて遠い国に旅立った。そして、そこで放蕩して、財産を湯水のように使ってしまった。何もかも使い果たした後、その地方全体に激しい飢饉が起こり、彼は食べることにも困り始めた。
ルカの福音書 15章13~14節
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次