
強度行動障害(きょうどこうどうしょうがい)は、自傷、他害(叩く、蹴る)、こだわり、激しいパニック、物壊しといった、周囲の人や本人にとって日常生活に著しい困難を伴う行動が、高い頻度かつ強度で現れる状態を指します。
これは単なる「わがまま」や「性格」ではなく、自閉スペクトラム症などの発達障害に伴い、自分の困りごとを言葉で伝えられないストレスや、環境とのミスマッチが原因で起こることがほとんどです。



強度行動障害の主な特徴
単一の症状ではなく、以下のような行動が組み合わさって現れることが多いです。
①自傷行為: 自分の頭を叩く、壁にぶつける、腕を噛む。
②他害行為: 他人を叩く、髪を引っ張る、噛みつく。
③破壊行為: 壁を蹴る、窓ガラスを割る、服を破く。
④強いこだわり・パニック: 予定の変更や思い通りにいかないことに対して、激しく泣き叫んだり暴れたりする。
⑤不適切な摂食・排泄: 食べられないものを口にする(異食)、排泄物をいじる(弄便)。



なぜ起こるのか?(背景にあるもの)
本人が「嫌だ」「苦しい」「どうすればいいかわからない」というメッセージを、言葉の代わりに「行動」で表現している状態です。
感覚の過敏さ: 音、光、接触などが耐えがたい苦痛に感じている。
コミュニケーションの壁: 自分の要求を相手に伝えられない、または相手の指示が理解できない。
環境の不一致: 騒がしい場所や、先の見通しが立たない状況への不安。



支援の考え方
以前は「力で抑え込む」ような対応もありましたが、現在は「環境を整え、本人のQOL(生活の質)を高める」支援が主流です。
①構造化: スケジュールを写真や絵カードで見える化し、見通しを立てやすくする。
②コミュニケーション支援: 言葉だけでなく、絵カードやタブレットを使って意思疎通を図る。
③感覚調整: イヤーマフの使用や、落ち着ける個室(クールダウンサイト)の確保。
④専門家による評価: 「行動援護」や「重度障害者支援加算」の対象となるか、自治体の窓口や相談支援事業所に相談する。